「虹色おいさん」
くまもと水事情からいつの間にか「塩九升(しょくじょう)通り」に思いが馳せました。大分市の中心街の東の端、長浜神社近くの通りの名前です。田舎者のわたしは、数年前に初めてこの一風変わった通りの名前を知りました。長浜神社のお祭りを「長浜さま」といい、街中の人たちには昔から馴染みの祭りです。「長浜さま」は夏の訪れを告げる夏祭り。先日行われた熊本の「藤崎宮例大祭」は秋の訪れを告げる祭りです。
そして水といえば、河童(かっぱ)。「塩九升(しょくじょう)通り」「水」「河童」・・・どうしてこんな関連のなさそうな名前が今になって連想されるのだろうかと考えていたら、やっとわかりました。それは、平成17年から18年にかけて2ヶ月ごとに発売された小説、「虹色おいさん」です。7人の仲間とその家族がさまざまな人間模様を織り成す全7巻のお話。河童のおかげで(?)時々子どもの時分にタイムスリップなんかして・・・書いたのは地元大分で活躍するフリーライター吉田寛さん。評価的にはどうだったのか知りませんし、地元限定の発売ですのでどれくらい売れたのかわかりませんが、わたしは発売を待つようにして読み耽りました。そこにいる仲間たちが心から羨ましかったからです。子どものときからずっと一緒に生きてきた仲間たちが、大人のおいさんになってもずっと同じでいるって、良いよなあ。中学に上がるときに地元を離れたわたしは、ずっと<よそ者>感覚で生きてきました。中学時代の同級生たちと今でも一緒に飲みますが、やはりわたしの心が今でも<よそ者>で(彼らはそんなことないって云うんですが)・・・「虹色おいさん」の世界はわたしの憧れです。
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