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くまもと「水」検定

熊本市は上水道のほぼ100%が地下水です。街のど真ん中に悠然と白川が流れ、街は川に沿って<無秩序に>広がっています。碁盤の目のように区画整理された大分市出身のわたしは、いまだに方向がわからなくなります。一方、我が家の近くに横たわる人口湖の江津湖は、加藤清正が作ったもので、加勢川となって最終的には緑川と合流します。まるで街全体が川の巣の上に乗っかっているかのようです。

先日、知人に誘われて、くまもと「水」検定を受けるための公式テキストブックを買いました。あまり興味がなかった熊本の水事情ですが、テキストを読み進めるにつれて、意外にもどんどん嵌(はま)ってしまいました。

初めて熊本に来たのはYMCAの大学模試でした。洗馬橋駅近くの川に面した旅館に泊まりました。あれが坪井川だったのかと遠い昔を思います。大学生時代を過ごした下宿屋は子飼橋の近くでした。その河川敷に唐十郎の紅テントがやってきたのは入学間もない頃でした。それを観て演劇部に入部した友人は、結局今でも東京で芝居を続けています。白川には何本もアーチ橋が架かっています。酔っ払うと必ずそのアーチをよじ登ってしまう登山部の友人は、ハラハラして見つめるわたしたちを尻目にそのまま何もなかったように反対側に降りていくのが常でした。坪井川近くのアパートの1階に住んでいた友人は、大雨の翌朝、起きてベッドから下りたら足元が水浸しで驚いた!と良く話していました。熊本城近くの病院で働いていたときの大雨では井芹川が氾濫し、路面電車は折り返し運転をしました。休日出勤していたわたしが大急ぎで帰ろうとしたとき、車のブレーキが全く利かずに怖かったことを思い出します。水前寺公園から江津湖畔、そして江津塘(とも)は、妻の実家に通じる道筋です。

・・・わたしの青春時代の思い出の多くが、川と水に綴られています。今度ゆっくり川巡りの散策をしながら昔を想ってみたい、という気分にどっぷり浸ってしまいました。

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