« あ~忙しい | トップページ | 医療者の良識 »

迅速診断キット

新型インフルワクチンの医療従事者への優先接種がうちの病院でも始まりましたが、わたしたち健診センタースタッフは医者も含めて誰もその対象者リストには入れてもらえません。「臨床現場で実際に直接患者さんと接する者」という条件に当てはまらないからです。今年は、品薄の季節性インフルの予防接種も受けさせてはもらえません。

「バカな話やな!」と陰口を叩いています。うちの病院は基本的に一般の方にインフル治療をしない方針なのですから、インフルに罹った人はうちの病院を受診しません。むしろちょっと発熱したり咳をしていても受診することが多い健診現場の方がはるかに危険性が高いでしょう。若い人と接することの多い学校の先生たちや市職員などが毎日大勢やってくるのです。ちなみに、厚労省の資料によると「ワクチン優先接種対象者」の「医療従事者」とは「新型インフルエンザ患者の診療に直接従事する医療従事者」と定義されています。てことは、うちの病院は基本的には対象じゃないんじゃ?

さて、グチはこれくらいにして、先日産業医研修会で新型インフルに対する具体的な対策講習を受けてきました。予防の原則はあくまでも<手洗いとうがい>であり、無意味に人混みに入って行かないこと、です。発熱者や咳が出ている人はマスクをするのがエチケット・・・結局いつもの季節性インフルの対策と何ら変わりません。そんな中、新型インフルには特殊な事情があります。実は迅速診断キットの陽性率が低いのです。発症早期には40~60%しか陽性反応が出ません。なので検査結果にとらわれず(検査は必須ではありません)、臨床的にインフルを疑ったらすぐに内服を始めるように指導されています。つまり熱が出たので病院に行って、「検査したら陰性だったからインフルじゃない!」というのはまったくナンセンスだということを知っておいて下さい。もっとも、これだけタミフルを予防投与されていたら、耐性株ができるのは時間の問題のような気がしないでもありません。

とにかく流水だけで良いのでこまめに手洗いをいたしましょう。

|

« あ~忙しい | トップページ | 医療者の良識 »

心と体」カテゴリの記事

コメント

心臓痛のため循環器科に行ってきた続きです。

スプレー状の外用薬を処方されました。心臓への血管を広げる効果があります。
で、この薬の成分が、ニトログリセリンなんですよ。

ドラマでは見たことはあっても、自分がそれを使うとは思いませんでした・・・


パニック障害の発作や、うつ状態の対応する薬と全く系統が異なります。

ニトログリセリン系統のこの吸入薬は、口にしみて痛いです。

投稿: TheBeach | 2009年10月30日 (金) 11時35分

TheBeachさん

ニトロは舌下錠もスプレーも同様にすぐに効きますので、発作止めとして処方するのですが、バイアグラと一緒に使うのでない限り、あまり大した薬ではありません。

私たちも医者になった当時は自分で舐めてみるように上司に指示されました。私はちょっと頭が重くなります。

痛みが心臓に関係あるかどうかを調べるために処方されたようなものですので、痛くなったら何度か使ってみることをお勧めします。それで数分以内に良くなるなら効いているので心臓かもしれないけれど、あまり変わらないか返って悪化する(悪化することもあります)時は効いてないので心臓は心配ないな、という判断をするのです。「効く」というのは本当にウソのように消えることを言います。「何となく効いたかな」は効いてないということになります。

何度か使っても大して効かなかったら、その後はあまり使わなくても良いと思います。

投稿: ジャイ | 2009年10月30日 (金) 12時18分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« あ~忙しい | トップページ | 医療者の良識 »