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医療者の良識

先日は、新型インフルの予防接種に病院スタッフが大勢押し寄せてきました。

「あんたら、その気になったらちゃんと来れるやないか!」・・・日頃の予防接種のときには電話で催促しても「忙しい」と云ってなかなか来ない連中がこぞって顔を並べているのをみて笑ってしまいました。でも、医療者でありながら、なぜそんなに右往左往するんだろう?と、不思議にも思います。

そんな中で、感染対策の部長が怒っていました。「医療者の優先接種対象者を最低限にしてくれというから、うちは必死に絞って希望を出したのに、大学病院なんて面倒くさいから全職員数を希望者として出して、その5割が許可されたんそうだ。県の担当者は一体何を考えてるんだ?」と。ラジオを聞いていたら、ある県では「医療者の希望が予定より多くて、妊婦や重症患者に回すワクチンがかなり遅れそうだ」とか。呆れてしまいます。大学病院に新型インフルの患者なんか来るもんか!こっそり当直のバイトでもしない限り、もし罹(かか)るとしたら自分の子どもから移るのだから、それなら世間で一番後回しにされている健康なサラリーマンや主婦と同じです。そんな医者に打つなら、もっと早く打ってあげたいのに待たされている人はたくさん居ます。これじゃ、何のための優先接種かわかりません。サーズや映画の「20世紀少年」に出てくるような殺人ウイルスなら、医者も人間、まずは自分が生き延びよう!もわからないでもありませんが・・・。しかもワクチンを打ったら罹らないのではありません。罹るかもしれないけど軽い、という普通の季節性インフルワクチンと同じです。なんかとても情けない気分です。

やはり最初の水際作戦のころに煽りすぎたせいでしょう。魔女狩り的なあの騒動は、今さら「今回の新型インフルは怖れなくてよい」と声高に宣言しても、一旦植え付けられた恐怖を消し去る力にはならなかったということですね。

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