ナースプラクティショナー(NP)
先日、熊本県保険医協会からアンケートの依頼が届きました。「ナースプラクティショナー(NP:診療看護師)」についてのものでした。
どこかでちょっとだけ聞いたことのある名前ですが、ほとんど実態を知りませんでした。昨年4月に、大分県立看護科学大学でこのNP養成講座が始まったこと、これは、症状が安定した慢性疾患などの患者さんに対して、医師と連携して医療処置の一部を担える能力を備え、外来や老人保健施設、訪問看護ステーションなどでプライマリケアを中心に活動できる職種を目指しているのだ、ということが、趣意書に書かれていました。とても素晴らしいシステムだと思いますし、実際アメリカでは1964年以来約14万人のNPが臨床現場で活躍しているそうです。ただ、日本の場合は諸般の法律(医師法など)で規制されていて、実際にはナースが医者の代わりをすることは許されていません。
こういうシステムを真っ向から反対する医者もたくさん居ますが、わたしはNPに大賛成です。むしろいい加減な医者よりもより真剣に患者さんの人生に対峙してくれる看護師さんがたくさん出てきてくれることは、そのまま患者さんの利益でもあると思っています。ただ、日本の場合、患者さん本人だけでなく家族も、「先生(医者)が診てくれた」ということで得られる安心感は他と比べものにならず、逆に「先生が診てくれなかった」というだけで<手を抜かれた>と思う人が多いのが現実です。同じことをしていても受ける側の満足感が全く違うという国民性に似た感情をきちんと払拭出来ない限り、アメリカなどの欧米社会が成功しているからと云ってもそれと同じ通念では通用しないだろう、という大きな懸念があります。
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