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中古車の扱い

我が家の自家用車は乗り始めて丸8年になりました。走行距離は9万キロ・・・それなりの距離だと思います。それなりに故障もし、小さい事故にも何度か遭遇させながらも、それなりに調子よく動いてくれています。

先日、カラダの中のいろいろな症状が気になる、という男性が受診されました。まだ40歳になっていませんが、膝が痛い、手がしびれる、頭痛がする、動悸がする、耳鳴りがする・・・などが周期的に起きるのだそうです。それぞれにあちこちの病院を受診され、特に問題がないことを告げられて一旦安心はするのですが、また次の症状が出始めると気になり始めるようです。

彼とずっと話をしながら、結局「カラダの衰え」をどこかの時点で受け入れなければならないのだということを思いました。最初にピカピカの新車で我が家にやってきたわたしの愛車も今は中古車です。新しい車として手入れし、傷が付けば修理をし、新車の装いを保ち続けようとしましたが、長い年月には勝てません。いつの間にか色あせ、水垢は取れなくなりました。ダッシュボードの蓋が壊れ、デジタル表示の掲示板の電気が切れて一部見えません。でもとても愛着があり、とても健気にわたしを運んでくれます。何ら問題はありません。新車の時には新車の扱いがあり、中古車になったら中古車としての扱いがあります。少しガタが来たカラダを「そんなもんだ」と思えるようになってしまえば、小さな諸症状は気にならなくなるものです。その「諦め」の分岐点さえ越えられれば、今よりはるかに楽になるのになあと思いながら、同時に、「そう簡単にはいかないんだな」ということも、自分の人生を振り返りながら思うのであります。

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