脚を組む医者
「今初めて聞くことばかりです。そういうことを外来で説明してくれていたらちゃんと分かったのに、外来の医者はそんなこと何も話してくれなかったんですよ!何か、偉そうに脚を組んで、椅子に寄りかかって腕組みなんかして・・・」
人間ドックを受診されたある女性が、外来受診をしたときのことを吐き出すように一気に話し始めました。説明の量と質に差が出るのは、医者の忙しさと経験とキャラクターに依存するところが大きいのでいたしかたないところもありますが、このドクターについては以前にも一度違う受診者の男性から、「『健診ではこのような大したことないものをとても大げさに検査させたがる』と云われたが、その態度がとても不愉快だったから、わたしはその医者の云うことを信用できない」という文書の意見をいただいたことを、妙に印象深く覚えています。
わたしはそのドクターをほんのちょっと知っていますが、思うに、その姿は彼のクセなのだと思います。仕事中に限らず、いつも長い脚を折り曲げて組んでいますし、少々斜に構えて腕を背もたれに絡ませるか腕組みしたりしている姿しかわたしの頭の中にイメージすることができません。ただ、そのクセが、言葉や態度と相まって「不信」を呼んだのだとすると、それは彼にとってもの凄く損なことです。
自分のクセはなかなか自分では気付きません。こういう意見を耳にするとき、それを他人事だと思わないように心掛けています。おそらく大なり小なり自分にも似たようなことをどこかで云われていると考えることにしているのです。これも「鏡の法則」と云えるかもしれませんから。
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