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日本の風土(2)

彼女の文章を読みながらふと思ったことは、歴史と伝統のあるケアリング・クラウンはどうしても赤鼻の道化師でなきゃいけないのだろうか?クラウンは道化師なのだから当たり前なのですけれど、赤鼻の道化師であることの心理的、社会的メリットは十分分かるのだけれど、相手が高齢者ではなく子どもたちだとしても、欧米の子どもたちにとっての道化師は日本人の子どもたちにとっての道化師とは何か根本が違うのではないか?ということです。日本人の感性と風土に合った表現型にあえて変えてしまったクラウンはいないのだろうか?他の妖精や座敷童子では格が下がるのだろうか?確立していないと効果が半減してうまくいかないのだろうか?同じようにコトバを必要としない世界なのに、何かアニマルセラピーと根本的に違うものを感じてしまうのは、道化師の文化が万国共通なようで実はそうでもないからなのかもしれません。

最近「グローバルスタンダード(世界基準)」というコトバが良く使われます。島国ニッポンはもっと世界に出ていき、世界に通用するものにならなければならない。日本の風土に馴染むか馴染まないかではなく、世界基準に合わせることによって広く大きく展開できる。もともと経営や金融システムから出てきたコトバですが、日常のいろいろなところでその考え方は普及しています。その重要性は重々承知の上で、でも最近何となくこのコトバが好きになれなくなってきています。「グローバルスタンダード」の方が本当に格や次元が上なのだろうか?もっと日本独自にアレンジしたものが、オリジナルには絶対真似できないものが、そのつもりで研究していくならもっと進化したものができるのではないのだろうか。それだったらそれの方が、少なくとも日本人にとっては、次元が上なのではないのだろうか?

何となくそんな思いと疑問が浮かんでくるのです。

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心と体」カテゴリの記事

コメント

 日本でケアリング クラウンがある程度認知されるようになったのは、おそらくアメリカの映画が発表されてからと推測しておりますが、私自身もピエロには違和感を感じています。多くの日本人にとって、ピエロは必ずしも安心し心を開放できる存在ではないからだと思います。この活動をされている方には申し訳ないのですが、他の方法論はないかを探ったほうが良いように思っています。
 でも、落ち込んだ心を慰め、笑いなどを通じてより平穏な状態を提供するということは尊いですね。ピエロの場合、笑いだけではなく道化の向こうにある悲しみもきっと重要な要素でしょうしね。

投稿: hanamegane | 2010年1月23日 (土) 08時57分

日本の風土(1、2)と、hanameganeさんの書き込みを読んで、少しほっとしています。
私が感じていた違和感は、感じちゃいけないものじゃなかったんだって。

クラウンに憧れてはいるけれど「クラウンの格好」じゃなくて、お姫様スタイルじゃダメなのかな?。多分、日本の子どもたちには、動物やアニメキャラクターや、サンリオキャラクターに近い扮装の方が受け入れ易いと思うんだけどな。
ピエロよりは七福神やチンドン屋さんの方が?。

テレビで、パッチアダムスさん本人が日本に来ていたのを見ました。パッチさんが、赤い鼻を付けて日本人を相手にしているのには、特に違和感を感じませんでした。だって彼は『ピエロ』姿がよく似合う外国人のおじいさんだから。

日本人に合うやり方…。

あ!後、海外ドラマでよくお医者さんが着ている、派手なスモックみたいなやつ。あれも日本のお医者さんには、あんまり似合わない気がします。白衣で威圧感を与えない為とかって聞いたことがありますが『患者さんがリラックス出来るデザイン』ではない気がします。小児科などでは、注射する怖い先生が、目に強烈な色の服を着てさらに怖いってこともあるんじゃないでしょうか。もっとこう、やわらかく、あたたかい雰囲気の…

“思うだけ”の私ですが
(うちの保育園は、ジャージとエプロン禁止。基本デニムです。デニムは動きづらいよー!、エプロンしてた方が、泣いてぐちゃぐちゃ顔のチビちゃんを、思い切り抱っこ出来るよー!って、思うだけで言えない

投稿: あやの | 2010年1月23日 (土) 15時48分

ケアリングクラウンの活動は、テレビやWEBの中でだけで実際には見たことがありません。でも、落語やお笑いと異なる心理的アプローチなのだろうなあといつも思っていました。だって心を閉ざした人が開くのですから、凄いです。
メークに関しては、クラウンのモシェ・コーエンもいますし、なくてもいいのかなと思います。でも垣根は下がりますね、あった方が・・・
ちなみに私は未だに“道化恐怖症”ですが。

投稿: Haruch | 2010年1月23日 (土) 18時51分

みなさんへ

クラウンに掛ける後輩の想い、原本を紹介してあげたいところですが・・・。彼女からもきっと言いたいことがたくさんあるでしょう。彼女が書いたクラウンの「道化性」が引き起こす効果として、
1.価値観の転換、秩序の転換(固定化した価値観をかき混ぜ空気を動かすことができる)
2.遊び心とサプライズ(そこに居合わせた人たちの想像力を刺激する)
3.つなぎの役割(対立する者の間に入って緩衝材になり信頼関係を構築するきっかけになる)
4.即興術(クラウンの即興術に巻き込まれながら抑制から解放することができる)
なのだとか。

でも、きっと彼女が今一番感じて一番言いたかったであろうことは・・・明日の「日本の風土(3)」で。

やっぱりケアリングクラウンって、いいな。憧れだ~!

投稿: ジャイ | 2010年1月23日 (土) 21時14分

おじゃまいたします。ワケあって夜中1時38分にコメントいたします。

クラウン熟考、興味深くいいなぁと読ませていただいております。

太宰の人間失格にも、道化が出てきます。でもぜんぜん人間失格じゃありません。ただただ人間です。

僕はクラウンについて何の知識もないから、知りたい世界だなぁとを馳せています。
ひたすらに阿るだけでは、うまくいかないものなのだろうと、想像しています。
自分は縁あって、自閉症者と関わる世界にいますが、日々が自分と向き合う作業です。自分を失った時、支援は雑になります。
支援するのは自分だけれども【相手にとっての自分】を常に意識しながらってのは、疲れることもある。それでも、それを初心として失敗も成功かなも繰り返しながら、やり続けるしかないなと感じています。

難しい人たちを、難しい人たちと思うのは、こちらの勝手な考えであって、難しいその理由を、じっくり考えていくしかないかなと。
健常者も障がい者もないと思うことからスタート。
って精神論だけじゃ、何も解決しないけれど、ひたすらに阿る中で、相手と自分を照らし合わせていくしかないし、それだからやる甲斐があるんだと思います。
ん。夜中に書き込むもんじゃないすね。あはは。

(3)期待しています。

投稿: 木下祐市 | 2010年1月24日 (日) 02時02分

木下祐市さん

いつもしっかりと仕事を見つめている姿に感服します。木下さんがケアリングクラウンの世界に行ったらもしかしたら新しい展開が生まれて面白いかもしれないなと思う次第です。

投稿: ジャイ | 2010年1月24日 (日) 22時27分

はじめまして。
ケアリングクラウンをしている後輩のUlalaです。
みなさまのコメントをドキドキしながら読んでいます。

ケアリングクラウン活動を始めて、2年が過ぎようとしていますが、正直なところ、私自身も未だに赤い鼻にはなじめていません。

ただ、赤い鼻にはミラクルを起こす不思議な力があるのは確かです。ぜひ、赤い鼻を見るだけではなく、一度つけてみてください。そして、5分間だけ、公共の場に出現してみてください。
きっと、何かが変わります。

ところで、Haruchさん。Moshe Cohenは私のクラウンの師匠です。
この3月にMosheのワークショップを東京で開きます。
もし、ご興味がありましたら、ご連絡くださいませ。

みなさんのクラウンに対する意見を、もっともっと聞かせてください。

投稿: Ulala | 2010年1月24日 (日) 23時24分

Ulalaさん

無断で長々と話題にしてしまってすみません。多くの人がいろいろな形で興味をもっているんだということを知りました。人が「癒される」ために赤鼻が必要かどうかは疑問符のままですが、「赤鼻をつけてみる」ということにこそ意味があるのかもしれないという気はしてきました。でもきっとそこに赤鼻の仲間が居ないと付けきらんでしょうね。そしてそんな気持ちが歳とともに衰えていく感じもしてきていて、ちょっとばかりシャクです。

投稿: ジャイ | 2010年1月24日 (日) 23時49分

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