日本の風土(3)
ケアリング・クラウンの活動を続けている後輩の文章は、最後に「現場に働くものの変化」という見出しに続いて、彼女が活動を続けていく中で確信を持ったクラウンの存在価値を書き記して終わっています。これも納得のいく内容でした。
介護やケアの現場は本当に疲弊していると思います。効率と採算性重視の職場は働く者の体力と精神力を奪い、こころざしと現実の大きなギャップの中で、事故やトラブルが起きないように起きないようにとどうしても逃げ腰の管理を余儀なくされます。そんなときにクラウンたちの訪問を受けると、たしかに大きな変化がもたらされるだろうなと思います。皆がやりたくてもやらせてもらえなかったこと、やることがタブーだったこと、それらを赤鼻の訪問者はいとも簡単に壊していきます。赤鼻さんたちだから許してもらえたことだとしても、当事者とその家族とケアする職員のすべてが同等にその行為のケアにもたらす効果を知ってしまえば、共通の既成事実として、自ずとタブーの掟が薄らいでいくことでしょう。
彼女の原稿を読んでいると、一番癒されて救われているのは、介護や福祉の現場の職員たちなのかもしれないとつくづく思います。彼らが報われ、彼らのやっていることに生きがいを求められるシステム作りというのは、現実には絵に描いた餅のようです。わたしにもケアに頑張る数人の知人がいます。かれらの生き様は賞賛に値します。もしかしたら彼らは、自分のリアルな仕事の中に彼らなりのケアリング・クラウンを生み出そうとしていつも頑張っているのかもしれません。<おわり>
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コメント
まずは、保育園でクラウンごっこ(失礼…)してみよう。鼻を赤くして。
よく、顔にカラーガムテープを貼ったりして、パントマイム的な動きでチビたちを笑わせています。若い同僚たちは『あやの先生、エンゲキしてたから。』と、笑って見ています。
特別な人じゃなく、いつも会える、いつも面白いことばかりしている先生だから、ちょっと違うけど。
ケアリングクラウンに、漠然と憧れているだけで、何も知らない私ですが、ここでこうしてお話し出来て、幸せです。
投稿: あやの | 2010年1月25日 (月) 20時36分
あやのさん
そうですよね。
「さすが~!やっぱ先生は演劇部だったから何でもできますね~」って言われますでしょ?演劇部がみんな平気で面白いことできるんじゃないんぞ!オレなんか、引っ込み思案でシャイだから人前に立つと汗だくになってモジモジしてしまうんぞ!と言ってやりたい(けどシャイだから黙ってる)。
ただ、スポットライトは大好きだから、メイクして他人になってしまえばきっと何でもできる気がするのは事実です。そうなったらできるだけ注目されたいですわ。
思いの外、ケアリングクラウンの話題が盛り上がってよかったです。
投稿: ジャイ | 2010年1月25日 (月) 22時06分
うんうん、
うちのナースもみーんな、
ジャイさんは平気で面白いことできるっていってます。
投稿: haruch | 2010年1月25日 (月) 23時17分
Haruchさん
いやいやそれは大きな誤解です。
私が何かをするのは舞台の上ですし、メイクしてますし、ちゃんと合宿張って半端ない練習しますし、舞台人としての行動ですから。日頃は超真面目でどこにいるか目立たない存在で・・・。
投稿: ジャイ | 2010年1月26日 (火) 01時13分