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結婚披露宴

先日、職場の若いスタッフの結婚披露宴に行ってきました。

最後のあいさつで、感極まった新郎が声を詰まらせました。しゃくり上げながらポツリポツリと話す姿を眺めながら、遠い昔の自分の結婚式のことを思い出してしまいました。

父親の反対を押し切る形で籍を入れましたので、披露宴にはどちらの親族も呼びませんでした。一生に一度のことなのに、妻とお義母さんには本当に申し訳なかったと今でも思っています。俄かクリスチャンになったわたしたち夫婦は、6月の土曜日に教会で式を挙げました。前日まで降り続いていた雨がウソのように上がった初夏の昼下がりでした。当時、病院の写真室にいたプロカメラマンMさんが撮ってくれた写真パネルは今でも我が家に大きく飾られています。賛美歌も書き入れた式次第のしおりを切り貼りしながら手書きで作ったことを妙に鮮明に思い出します。

その後にNホテルで催した結婚披露宴は、職場の同僚や友人だけをお呼びしたこぢんまりした宴席でした。自分たちだけでなく、何とか皆さんの思い出に残っていただきたいと作ったメッセージ文集は、今では考えられないような貧相なワープロ文字でした。最後のあいさつを始めようとしたとき、一気にこみ上げる感情はいかんともし難く、小さな子どものように顔をくしゃくしゃにして泣きました。最前列のベテラン看護師さんが「がんばれ~」と云いながらハンカチを持ってきてくれたことしか覚えていません。

・・・「こういうときは男の子の方が感激屋なのよね」・・・来賓席のテーブルで、くだんの新郎の姿を眺めていた新郎の勤務する会社の社長夫人が、微笑みながらそうつぶやくのを耳にして我に返りました。良い結婚披露宴でした。

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