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心脳蘇生

第38回日本総合健診学会の教育講演で、日大の長尾建先生の「心肺蘇生から心脳蘇生へ」というお話を聴きました。健診医や健診スタッフには興味がなかったのか、あまり聴衆が多くなかったのが残念でした。そういえば長尾先生には20年以上前に一度声をかけていただいた記憶があります。・・・お互いに歳をとりました。

救急をやってきた人間にとってCPR(心肺蘇生術)は基本手技ですので、目の前に意識なく倒れている人がいたらカラダが勝手に動き出します。でも、そんな世界から離れて8年以上、AEDのみならず、救急蘇生のやり方は大きく変わってしまいました。今は心臓マッサージ(胸骨圧迫心臓マッサージ)のみを行う方法でも、口対口の人工呼吸を行う従来型の方法と蘇生率に有意な差がなく、むしろ心臓マッサージのみの方が社会復帰率が高かったという報告もありました。肺に少しでも空気を入れたいからといって赤の他人の口に息を吹き込む行為は、気が重いものです。長尾先生によると、人工呼吸をしている間心臓が止まっている(その間はマッサージをしていない)ことが問題なのかもしれないということでした。

今年は国際ガイドライン改訂の年だそうですから、またやり方が変わるかもしれません。とにかく意識のない方をみつけたら「Call & Push」~人を呼び、とにかく心臓マッサージ(胸をpush)100回/分×2~3分、次にAEDのボタンをpush、そしてもう一度すぐに心臓マッサージをします。心電図の確認はその後です。単純だから覚えやすいですね。

最後にフロアから出た意見・・・「止まっていた心臓が電気ショックで戻ってもすぐには動き出しません。だから『AEDの後にもすぐに心臓マッサージ』なのですが、最近テレビを見ているとよく電気ショックで心電図が戻ったら医者たちは何もせずボーっと立ってモニターに見とれています。あれではまた止まってしまいます。ああいう番組は影響が大きいから大切です。是非先生からテレビ局にアドバイスしてください」・・・やっぱりここは東京だなと思いました。

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