脳卒中の人生
「脳卒中」というのは、脳血管障害によって脳出血・脳梗塞・クモ膜下出血などが急に起きた状態を総称した云い方です。
医療技術の進歩のおかげで、最近の脳卒中死亡率は徐々に減少しています。でも勘違いしてはなりません。<死亡率>が減少しているということがそのまま<罹患率(脳卒中に罹る人の割合)>が減少しているということを示しているわけではないのです。実は罹患率はそんなに減ってはいません。しっかりと血圧の管理をするようになったので脳出血に罹る人は減ったかもしれませんが、代わりに糖尿病や脂質異常症などの増加で脳梗塞が増えているからです。脳卒中に罹るけれど死なない・・・つまり、障害を抱えながら何十年も生きていかなければならない人がかえって増えている、ということに他なりません。それを「幸せな時代になった」と云ってしまっていいのだろうか?医療者としてのジレンマはいつもついて廻ります。
心臓病でもほとんど同じことが云えます。医療の進歩がどんなにめざましくても、結局は自分の日々の生き方をみつめて、自分で自分を律して管理しない限り、<健やかな人生>を得られるとは限らない、というのが現実のように思われます。
<悟り>の中に<健やか>がある・・・考えれば考えるほどにむずかしい命題です。
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