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コレステロールって何?

講演の準備中に、7、8年前に作ったスライドをみつけました。分かっているようで意外に理解されていない「コレステロール」。目の敵にされていますが、実はなくてはならない重要なものだということを説明するために、一生懸命作画した傑作スライド(自称)です。

コレステロールは、生きていく上で大切な物質=細胞膜やホルモン(特に性ホルモン)を作るのに必要不可欠な材料です。その70~80%は肝臓で作られており、食品から直接入るコレステロールは残りの20~30%にすぎないことを世間は意外に知りません。肝臓は砂糖や脂肪やタンパク質を材料にしてコレステロールを合成しますから、たとえコレステロールの多い食べ物を控えたとしても、食べ過ぎたり甘いものを取りすぎるとコレステロール値は上昇するのです。多すぎると胆汁酸として胆汁になりますが、これが多くなると胆石や胆嚢がんの元になることも事実です。

さて、コレステロールはアブラです。アブラはそのままでは水(血液)に溶けません。ですから、コレステロールは中性脂肪やタンパク質(アポ蛋白)と併わさって<リポ蛋白>という形で血液中に安定した状態で溶けています。この<リポ蛋白>の中に比重の高いリポ蛋白(高比重リポ蛋白=HDL)や比重の低いリポ蛋白(低比重リポ蛋白=LDL)があるわけです。HDLの方がコレステロールの含有量が少なくリン脂質が多いために比重が高くなり、逆にLDLはコレステロールの含有量が多くてリン脂質が少ないので、HDLよりも大きいけれど比重は低くなるのです。って、もう頭がこんがらがってきてますか?善玉(HDL)と悪玉(LDL)はコレステロール自体の質の差ではなくて、コレステロールの含まれる量の差だということくらいはこの機会に覚えておきましょう。

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コメント

ふむふむ・・・・
む・むずかしい。
結局、悪玉( LDL )は悪さしかしないんでしょうか?
いいことはひとつもないの?
整形外科医の私にも判るように教えて下さい。
coldsweats02

投稿: Haruch | 2010年2月11日 (木) 00時28分

Haruchさん

「悪玉」という名が広まりすぎて、世間の多くの皆さんもそう考えているかもしれませんが、基本的に人間のカラダに要らない物はあるはずもなく、当然LDLはなくてはならない物です。

細胞膜を作ったり性ホルモンの材料になったりするこのコレステロールを末梢の標的臓器まで運んでいるのがLDLですから、これなくしてそもそも生物は存在しえません。例えば、血管壁に隙間やキズができたとき、その補修をするのがLDL。これが接着剤のように貼り付いて補修してくれるから大事に至りません。ただ、それが多すぎて、きれいに掃除するHDLが足りないとそのまま血管壁に取り残されることになり、その余り物のLDLが酸化ストレスを受けたり血管壁内に入ったりして酸化(変性)LDLに化けた途端に、LDLは「悪玉」の顔に大変身するわけです。・・・なんか医療者らしからぬ文章表現になりましたが、こんなんでいいでしょうか?

何事も、「過ぎたるは及ばざるがごとし」というわけですね。

投稿: ジャイ | 2010年2月11日 (木) 06時48分

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