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マジョリティ

アメリカでは肥満者が過半数を超え、とうとう<異常者>がマジョリティ(多数派)になったということが社会問題になっています。

日本でも、メタボ判定基準の腹囲85cmを導入したときに「40歳以上の男性なら半数以上ひっかかってしまう・・・だからおかしい!」という論調が出たことがあります。うちの健診では、「慢性腎臓病(CKD)の基準であるeGFRが90未満の人を<異常>とすると受診者の80~90%が<異常>になる。そんな判定っておかしいのではないか?」ということが話題になりました。

このマジョリティ(多数派)・マイノリティ(少数派)の関係は以前から議論の的になってきました。異常値の者が過半数を占めると、そっちが正常になるのかどうか?という議論です。人間の脂肪細胞の平均サイズは70~90μmですが以前は30μm以下であり、おそらくこれが本来あるべき人間の脂肪細胞の大きさなのだろうと云われています。「あなた食べ過ぎですよ」「戦時中ならともかく、今ならこの量は普通だよ!」・・・そんな会話を普通に交わしています。食べ過ぎの人が多くなると結局それが標準量になるというのは、わかるようなわからないような・・・。

たとえば国民の半数以上がインフルエンザに罹ったら、罹ってない人が隔離される世の中になるのでしょうか(なるかもしれませんね)?WHOは「現代の肥満の増加はパンデミックだ!」と宣言しています。マジョリティが<異常者>となり、<正常>がマイノリティになると、そこに突然変異が生じ、<異常>でも生き延びていける者が生まれて自然淘汰していく・・・そうやって生き延びてきたのが糖尿病や高血圧の家系です。<異常>は何とか<正常>になるように努力すべきだという考えに間違いはないと思いますが、努力をしても大きな潮流に流されてしまったとき、「もはや人類滅亡?」は杞憂に終わり、そこに新人類が誕生して強(したた)かに生きて行くのかもしれません。

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