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「アナログの復権」(後編)

「うちのように忙しいところはしょうがないのかな」と思っていましたが、鎌田實先生の諏訪中央病院看護部の「ありがとうカード」の話を知って、ちょっと考えさせられました。

臨床現場の忙しさの中、ちょっと無理をお願いしたとき、救急現場のテンヤワンヤの中で無理に入院をお願いしたとき、あるいは新人ナースが良いケアをして患者さんが問題を起さなくなったとき、すかさず恩恵を受けたところから素直に「ありがとうカード」が届くのです。救急外来から気持ちよく救急患者を受け入れてくれた病棟へ、あるいはベテラン看護師から新人ナースにそれは届けられ、ボードに貼られてみんなが見る。病院が少しずつ優しくなっていきました。トップ同士の形だけのあいさつに終わっていないのが大事だと思いました。

「・・・『ありがとう』が優しい質のいいケアをつくるための連鎖反応を起している。」

というくだりが好きです。手書きのアナログが心を癒す。その事実にホッとしながら、スマートに電子化された検査オーダーシステムと自らが探しに行けばどこでもきちんと見れるようにオンラインで結ばれた検査結果報告、待合室の掲示板にはきれいに加工された活字だけが並び、報告書のみならず細かな日々の伝言や勤怠管理までパソコンの世界で解決できるという現実の世界の中に立ってみると、問題はハードではないんだろうなということに気付きます。仕事がいかに効率化されても決して心身の疲れは軽くならず、ハード面の整備は必ずしも心を癒してはくれないだろうことを痛感します。

<ハードよりもハート>~そのことに職員の多くが気付き、大きなモーションが起きるにはもう少し時間がかかりそうな気がしますが、でもそんなうちの病院でも少しずつ何かが変わろうとしている空気は感じ取れます。

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心と体」カテゴリの記事

コメント

諏訪中央病院の「ありがとうカード」は有名ですね。
原型は、リッツカールトンの「ファーストクラスカード」にあると思います。
リッツの食堂にはボードに「ファーストクラスカード」がいっぱい貼られています。“ファーストクラス!”と書かれた意味は、“あんたは最高!”という感謝の念です。
私も以前から導入を考えていますが、ボードの場所で悩んでいます。
うちでは、“最高!カード”と呼んでいます。
大切なのはハート・・・
今日ちょうど、うちのメディカルクラークに“クレドとコンシェルジュの魂は心の中にある、マニュアルやテクニックじゃないよ”と偉そうに話をしたところです。
ハートとハードどっちも大切ですね。confident

投稿: Haruch | 2010年2月 3日 (水) 16時03分

Haruchさん

最近思うことは、「これはいいな」と誰かが思ったことは何でも取り入れてみるフットワークの軽さが組織を柔軟にさせるのだけれど、組織が大きくなるとそれができなくなっていくことのもどかしさです。

ハードもハートも大切。でも、ハートのないハードには存在価値はないと言い切りたいと思っています。だからいかにハードにハートを入れていくか、ですかね。

投稿: ジャイ | 2010年2月 3日 (水) 18時01分

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