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6%ルール

高コレステロール治療薬の代表であるスタチン系には「6%ルール(スタチン6ルール)」というのがあります。これは「薬の量を倍にしても効果は6%くらいしか上がらない」という結果がどのスタチン系薬剤にもほぼ同様にみられる、というものです。

この法則の要因としてあげられるのが生体内のコレステロール量の調節機能です。 以前、<食餌性のコレステロールを抑えても、他のカロリーを使って足りない分を肝臓で合成する>ということを書きましたが、その肝臓内でのコレステロール合成を抑える(ここがスタチン系薬剤の働く場所です)と、今度は代償性に小腸から食べたもののコレステロール吸収を増やして血中のコレステロール量を均一に維持させるしくみがあるわけです。人間のカラダは良くできていると感心します。

ところが、小腸でコレステロール吸収を抑えるくすりが数年前に発売になりました(エゼチミブ)。これをスタチン系に加えて使うとどうなるか。スタチン系で肝臓からの合成を抑えた上にエゼチミブで小腸からの吸収も抑えることになり、画期的な血中コレステロール値低下がもたらされることになり、「夢のクスリ」「夢の組み合わせ」と期待されているようです。

でも、天の邪鬼のわたしはちょっと納得いっていません。そもそも生体は、それが必要だから代償するのじゃないのかしら?うまく調整していた供給路のすべてを絶ってしまったら、代償の破綻にはならないのだろうか?何とか息していたモノの息の根を止めることにならないのだろうか?そんな心配をしてしまうのです。

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心と体」カテゴリの記事

コメント

こんばんは、Haruchです。
今回の内容と少しはずれますが教えてください。
Lancet 2010年2月27日号で、スタチン投与群での糖尿病発生リスクが非投与群と比較し9%高かったという研究発表がでています。
(その働きを考えれば、当然かもしれませんが・・・)

このことから、心血管疾患の低リスク群に対してのスタチン投与について再考する必要があるでしょうか?
ノンスタチンのエゼチミブがお勧めでしょうか?

投稿: Haruch | 2010年3月14日 (日) 22時56分

Haruchさん

ちゃんとした答えになるかどうかわかりませんが、スタチンには、hepatic statinとvascular statinがあるそうで、血管保護作用を有する後者のスタチン(現時点ではフラバスタチンだけらしいですが)はLDL-Cを下げる作用はあまり強くないけれど、動脈硬化に関連するイベント抑制効果が前者より明らかに高いのだそうです。という話をちょうど明日書こうと思っていたので読んでみてください。

エゼチミブが有利なのかどうか、私にも知識がありません。

投稿: ジャイ | 2010年3月14日 (日) 23時18分

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