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強ければいい時代ではない。

専門的なコレステロール関連の話ばかりで申し訳ありません。

肝臓でコレステロールを作るのを邪魔するスタチン系薬剤とは趣の違うクスリが日本でも3年前から使われるようになりました。エゼチミブというクスリは小腸からのコレステロールの吸収を選択的に邪魔するもので、LDL(悪玉)コレステロールの低下作用はスタチン系の強いクスリに比べたらたしかに見劣りしますが、コレステロール低下作用の他に代謝の全般的な改善と血管保護作用があることがわかり、そのまま動脈硬化の予防効果があることがわかり始めてきました。

エゼチミブを1ヶ月使っただけでLDLコレステロールの低下はもとより、体重の減少や腹囲の減少が認められ、血圧が低下し、インスリン抵抗性(HOMA-R)が改善し、そして腎機能まで改善するということが確認されました。こちらの理由は比較的想像しやすいところがあります。酸化ストレスによって劣化(酸化)した食餌由来のコレステロールが簡単には体内に吸収されないわけですから、動脈硬化の始まりの第一歩を抑えることになります。HDL(善玉)コレステロールがあまり上がらないのは、やはり元が運動絡みではないからでしょうか。さらに興味深いことは、昨日書いた「血管保護のスタチン」と同様にこれがLDLコレステロールの低下程度とは関係していないということです。

強ければいいと思っているんでしょう?強いだけじゃダメ!強いだけじゃ!

は酒のCMですが、少なくとも医療界で常識化してきた「The lower, The better(下がれば下がるほど良い)」が、それだけはなくなってきた、ということに大きな期待をもっています。もちろん、できるだけあるがままの姿を<科学の暴力>でいじりすぎないでほしい、という思いは消えませんが。

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