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運動負荷試験

先日、運動負荷試験(トレッドミルテスト)を受けてみました。

特に胸が痛かったわけではありません。高血圧の内服治療を始めて5年くらいになります。良い値できていましたが、最近ちょっと高めの値を見ることが増えてきました。他人には「このレベルが続くなら脳卒中の率が上がるので内服の追加が必要です」と、治療ガイドライン通りの説教をしますが、自分では大したことだとは思っていませんでした。

今回の職員健診でCT検査を受けたら知りたくもない事実を知ることになりました。大動脈だけでなく冠状動脈(心臓の筋肉を栄養する血管)にまで石灰化(動脈硬化)像が写っていたのです。これは思いの外、こころをぐらつかせました。この年齢で高血圧治療をしているのだから、石灰化くらいあってもおかしくないのですが、自分の体内にそれがあるとわかると何か気味が悪いものです。そういえば何となく左胸の辺りの胸苦しさが感じられる・・・動いているときの症状じゃないから大丈夫だろ?と自問自答しながらも、何か客観的な証拠が欲しくて、トレッドミルテストを受けてみました。

始める前の血圧が高めでした。運動を始めるとすぐに下がって運動耐容能は十分あることがわかりましたが、でも開始前の血圧が気になりました。運動後の血圧もなかなか落ちません。冷静に考えたらどうという値ではありません。いつまでも若いときのままではないことくらいは悟らなければ・・・。そして心電図。技師さんが「特に問題はありませんでしたよ」と云いながら手渡ししてくれた心電図・・・ん~、どうしたもんかなあ、この所見。循環器科医として冷静に読むなら<白に近い灰色=偽陽性>・・・「今、特にどうということはありませんが、きちんと血圧と体重管理をして定期的に運動負荷検査を受けてみてください」と説明するであろう程度の所見・・・ん~でもやっぱり気味が悪いなあ。

自分で受けてみて、初めてわかるこの<偽陽性>所見の積み重ねの覚束(おぼつか)なさ・・・気にしなくても大丈夫と他人には云いながら、運動して良いかどうか意外に気になるのは、やはり歳のせいでしょうか。

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