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リッツ・カールトン~パッション(後)

翻って、うちの組織を考えたとき、もちろんリッツ・カールトンには足元にも及びませんし、パッションがパッションとして存在しきれていないことは一目瞭然です。組織を維持させることに一生懸命で、「それは理想だけど現実はそうはいかないもの」という考え方が、上の方から若い皆さんにまで浸透しているようでちょっと寂しい感じがします。

「あるファミレスの女子店員が新入社員のときにはとても光っていて、リッツ・カールトンにスカウトしたら?と勧められたのに、2年後に再び行ってみたら表情の乏しいマニュアル的な人間に成り下がってしまっていた」という逸話が、前出の高野登氏の本に出てきます(「リッツ・カールトンが大切にするサービスを超える瞬間」かんき出版)。そんなことが世間では当たり前になっている今だからこそ、せっかくの光をさらに輝かせさせられる力がほしいと思うことがあります。うちの組織にもそんな光り輝いている若者たちがたくさんいるのに、彼らがどんどん<常識>の渦の中に引きずり込まれて、みるみるくすんでいくのが辛くてたまりません。ただ、ここで前述のJリーグチームのM元社長のように、ほとばしるエネルギーを常に同じ高さに持ち続け、鬱陶しいくらいのテンションで、ウザイと思われるほどにパッション、パッション、パッション!と云い続けることは、それ自体にもの凄いエネルギーが必要です。

おそらく、一人でパッションを叫んでもただ浮くだけですが、それが同じ高さで伝搬して行くからこそ一人一人のエネルギー量が少なくてすむようになるのでしょう。それを鑑みても、やはりリッツ・カールトンの持つ情熱のエネルギー量は驚異的だと思います。

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