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サクセスフルエイジング

定期的に送られてくるMedical Tribuneの中から、今回気になったのはこの記事でした。

「高齢者の日常身体活動と健康~運動によらない新しい健康支援システムの提案へ」(Medical Tribune 2010.5.13号,P52)

東京都老人研の青柳幸利氏らが、「高齢者の日常身体活動と健康に関する縦断的・学際的研究(中之条研究)」の結果をもとにして、新しい健康支援システムを提案しようというお話です。これは、現在もてはやされている高齢者への筋トレなどの積極的運動介入ではなく、もっと自然に誰にでも行える日常身体活動で、もっと普遍的な健康増進を図れる基準を見出そうというものです。

高齢者の日常を調べてみると、日頃から良く歩くか中等度(3Mets)以上の活動時間が多い人は、魚介類、大豆製品、乳製品などを良く取り、血清アルブミン値が高値であるなどの傾向がみられました。また、うつ病予防には歩数が4000~5000歩/日か中等度以上の活動が5~7.5分/日あれば十分であることも分かりました。結局、「心身の別を問わず、健康度は身体活動の量と質のバランスがよい人ほど高く、中等度以上の活動が相対的に少ない人ほど低い傾向」と結論付け、「基本的に毎日の身体活動が足りている場合、余分な運動は必要がない。その十分条件は歩数8000歩/日か中等度以上の活動時間が20分/日で、健康増進や疾病予防のための活動所要量の上限が歩数10000歩/日か中等度以上の活動時間30分/日ではないか」との指摘でした。

スポーツジムや健康教室で積極的に筋トレに励むのに、家に帰ると全く動かないご老人がたくさん居ると聞きます。あるいは、筋トレは大の苦手と云うご老人はむしろ多数派かもしれません。おそらく、「健康長寿のためにいやいや運動をする」という本末転倒のやり方ではない、もっと自然な真の健康法があるに違いないと、わたしも常々思っていたところです。

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