ビギッ
顔を洗うためにちょっと屈んだら、左の腰の辺りが「ビギッ」と音を立てました。強くはなかったのだけれど、芯の方から響く痛み~痛いというよりも<カラダの力がフッと抜ける>感じでした。
「何だこれは?」・・・これまで経験したことがない症状のために、わたしのココロは明らかに怯(ひる)みました。
<これがぎっくり腰になる前の前駆症状かしら?>
<もしや結石がまた出来てきたのだろうか?>
<これも腰椎ヘルニアの影響なのかしら?>
<何か得体の知れない腫瘍でもできていないかしら?>
・・・中途半端な医学知識がかえって邪魔をして、まるで「ヒポクラテスたち」の医学生のようです。
健診結果を説明していると、ほんのわずかに基準値からずれたり小さな良性のイボができただけでとても心配する人がいます。「一定以上の項目数を検査して、完全に<異常なし>なのは若い人の中のほんの一部だけです。歳とともにこの程度のズレは出てきて当たり前ですよ。」・・・そう云っても彼らはなかなか納得しません。気になることがあって外来を受診したのに異常が見つからなかった場合はさらに厄介です。どうしても、ひとつの症状にひとつの原因を求めて来ていますから、症状のメカニズムをきちんと説明できないと心配は消えないようなのです。そこで、わたしたちのような<医者もどき>は無い知識をふりしぼって屁理屈をこねまわすわけですが・・・<ヒトのカラダは機械じゃないんだから、歳をとればそれなりのガタは来るさ!そりゃ『本当は怖い家庭の医学』の可能性はないわけじゃないけれど、それくらいの開き直りの方が前向きに生きていけるんじゃないか?>・・・内心そんなことを思ったりするわけです。
ということで、わたしの「ビギッ」も、とりあえず静観することにいたしました。「歳」による症状には慣れてきたつもりでしたが、まだまだ奥は深いようです。
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