芝居への思い入れ
「わたしは、あなたのような人生の楽しみがほとんどないから羨ましいなあ。」
若い頃から湯布院映画祭に身と心を注いで、この季節になると仕事をほどほどにしてでも映画祭の実行に没頭している高校時代からの友人に、ついつい本音のメールを出しました。そしたらすぐに返事が来ました。
「私から見れば貴方の人生においての楽しみは演劇(あれは楽しみではないと言わないでね。いまだに連絡があれば見に行ったり、気にしていたりという行動を見るにつけ、聞くにつけ、そう思います)。」
実は、まったく同じ事を数年前、他の古くからの異性の友人からも云われたことがあります・・・「あなたはやはり演劇(芝居)がライフワークだと思うよ」。
5~6年前、大学時代の友人の劇団の公演を観るために上京して、その打ち上げに参加したときに、「宝くじを当てたら、さっさと家のローンを返して、仕事をやめて役者になりたいんだ!」と云ったら、その場の全員から「やめておけ!」と一蹴されました。「おまえは役者の器じゃない」という意味か、「医者の仕事をやめてまでする選択じゃない」と云ってるのかよく分かりませんでした。
「芝居なあ?・・・正直に書くと、何か10年前ほどの思い入れがなくなってきた気がします。自分の生活が忙しければ忙しいほど、もっと頑張っている連中がいることが励みになり、俺も頑張らなきゃ!と思ったのかもしれません。でも、徐々に自分の生き方に張りがなくなってくると、同時にあまり彼らの姿が羨ましくなくなってきたりするのですよ。」
映画祭実行委員の彼に答えたこのことば・・・くやしいけれど、これが本当に今のわたしの素直な気持ちなのかもしれません。
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