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主治医の妥協

長い間お付き合いしているある受診者さんが、今、思案に暮れています。新しいクリニックに移ることをわたしが以前から勧めており、どこにするか決めかねているのです。

彼女は、狭心症と高血圧で循環器内科、糖尿病で糖尿病内科、肩関節痛や腰痛などで整形外科、胆嚢ポリープで消化器内科、頭痛で脳神経内科など、うちの病院の多くの科を受診しています。それぞれに定期フォローは要るわけではありますが、どう考えても彼女をトータルで診てくれている<主治医>が居ません。だから、定期的な検査はこれまでどおりに受けるとして、日頃の管理をしてもらう<主治医>をもっと小回りの利くクリニックに求めた方が良いのではないか?と提案したのです。

わたしが外来をしていたころはわたしが担当医でしたが、その後担当は2人代わりました。大病院の場合は医者の転勤が茶飯事です。患者さんは、ブランドとしての<病院>にかかっているのであって、そこで働く<勤務医>にかかっているのではないところがあります。その場合、担当医に少しくらい不満があっても、そのブランド病院にかかり続けるためには目をつぶらないといけない部分があります。「先生は本当にすばらしい!これからずっと先生にお願いします。」と云っておきながら、転勤するとなると踵を返したように「私の担当は次は何先生になるのですか?」と平然と聞かれたりするわけです。

ところが、クリニックとなると、医療機関自体がイコール主治医ということになります。自分の伴侶を決めるようなものですから、決意はしたもののどこにしたらいいのか決め手がないようなのです。「やはり糖尿病の専門家が良いけど、運転できないので家から遠いのは何かと辛い。近くに循環器の先生がいるけど糖尿病はどうかしら?あまりしゃべってくれないというウワサだけど大丈夫かしら」・・・いまさらながらに大変そうで、彼女の性格を考えると、まだまだ延ばし延ばしになっていきそうです。

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