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基準値

「基準値」という数値があります。「正常値」とよく間違われますが、そうではありません。「正常」と称する人々の平均点とバラツキの範囲です。

とは分かっていても、多くの人は頑なにその数値範囲内に収めることにこだわっています。健診や病院の検査なら、この「基準値」からわずかにはずれるだけでも赤や青の派手なアラーム印がつきますから、いやでも気になるようです。以前にも書いたことがありますが、範囲内に収まっていても上限ギリギリだとか下限だとかで悩み、毎年正常範囲の中を上下していると悩む人もいます。みなさん、本当に無理矢理悩み事を見つけだすのに忙しそうです。もちろん基準範囲内でも気にしてほしい場合(たとえば年々上昇する肝酵素や中性脂肪値など)はありますが、概ね、気にする必要のない「異常値」に無意味に悩んでいることが多い気がします。

やはり標準値付近に居ることが安心なんでしょう。特に日本人は「みんなと一緒」にやすらぎを求める国民性だと云われます。出る釘は打たれます。徒競走にも順位を付けなくなったと聞きます。「食べ過ぎです」と云うと、「普通の量しか食べていません!」と反論するのも同じ発想なのでしょうか?標準よりやせているから必死で太ろうとしている糖代謝異常の男性や、10kgもやせたのに「標準体重まであと10kgは減さないといけない」と本気で考えている女性など・・・世の中、「背が高過ぎるから縮めなければ!」と悩んでいるような本末転倒な人が多すぎやしませんかしら?

「普通量」でも太る人は、何も食べなくても生きていけるように神様がプレゼントしてくれた選び抜かれたカラダ・・・有り難いことです。人類が滅亡しても生き残って種の保存をするように義務づけられた人ですから、こんなところでくたばってもらっては困ります。

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