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てんぷら

「わたしは、てんぷらが大好きなんですけど、やっぱりこれを止めんとダメでしょうね。」

44歳の公務員の男性に健診結果の説明をしていたら、ポツリと呟きました。もう何年も続いている境界型糖尿病と脂質異常症と高尿酸血症に喫煙習慣があり、オプションで検査した低線量肺CT検査ではそれなりの肺気腫(タバコのために肺胞が破壊されている)と冠動脈(心筋を栄養する血管)の石灰化が認められました。典型的な動脈硬化体質の方・・・わたしの説明で顔色を変えているところをみると、今まで甘いことしか云われていなかったのか、あるいは甘いことしか考えていなかったのか・・・。

「止めるのが一番良いですけど、でもてんぷら、お好きなんでしょう?」
「はい。好きです。」
「たぶん、作り過ぎなんだと思いますよ。お店でてんぷらを注文したときの料理一人前と比べてみてください。おそらくその何倍も多く作って食卓に並べられているはずです。『てんぷらを止める』というストレスより、『少ししか作らない』という勇気の方がこれからの人生のためには良いんじゃないですか?」
「なるほど。それはありかもしれません。」

結局彼は、特定保健指導を受ける手続きをして帰りましたが、本当はその前に脂質異常に対する内服を早々に受けてほしい人です。もう何年もこの状態が続いている上に、44歳で冠動脈にりっぱな石灰化(動脈硬化)ができているのですから。そして、「てんぷらを止める」とか「減らす」とか、そんなことくらいでこの値が正常値になるとは到底思えないからです。

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