喀痰検査
肺がんや肺感染症の検診をするために、シャーレに痰を出してもらって顕微鏡で確認する検査があります。これを喀痰検査といいます。
この検体に痰が入っていないことがよくあります。出したつもりでも唾(つば)だけだったりするわけです。この場合、「検体不適切」などのコメントが入り、<再検査>や<経過観察>の判定になるのが普通です。でも、この扱いは間違っているのではないか?ということが、先日うちの施設で問題になりました。「痰や血痰が出る」とか「咳が止まらない」とかいう症状があって病院を受診して、そこで肺炎やがん、結核などの心配がないか調べるために痰を取るのとは違います。もともとどうもない人が検査を受けるのが検診です。<どうもない人>は痰が出ないのが当たり前です。「無理矢理出してもらった検体が唾だらけで痰が入っていないからもう一度出し直してください」という発想は、もともとが病院の検査の発想だと云えましょう。何の異常もないのに、痰が出せなかったから、検査が不成立だったから「不適」という云い方はよろしくありません。
ということで、唾しかない検体は「痰が入っていませんでした」とだけコメントすることにしました。そのコメントがあったからといって、自分の検体の出し方が悪かったのだろうか?とか悩まないでください。くどいようですが、「痰が出ない」のが正常なのですから。
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