専門医
「今日人間ドックを受診している○○さんって、あの、内科クリニックを開業されている先生ですよね?」
「そうそう。」
「血糖検査の結果がえらい悪かったですよ。」
「そりゃしょうがないよ。家系だもの。」
「でも、たしか先生は糖尿病が専門でしょ?糖尿病が専門なのに血糖が悪いんだ!?ってスタッフで話題になっていたんですよ。」
「いやいや、だって家系なんだってば。」
以前、うちの病院に勤務されていたことのある先生です。生活習慣病治療をするために実家近くに開業し、運動指導士や管理栄養士さんなどもそろえて、生活習慣病治療に積極的に取り組んでいます。その本人が「糖代謝異常」だというのですが、糖負荷検査をしたら負荷1時間後の値が200mg/dl程度だということをナースたちが話題にしているようなのです。それの何が悪いのでしょう?空腹時血糖も負荷2時間後の値もヘモグロビンA1cも全く正常だということは、とても良くコントロールされているってだけじゃない?負荷1時間後に高値(食後高血糖パターン)なのは体質なのだから、これを正常にさせることをコントロールと云うのじゃないんだから。
○○先生、さすがに専門医。「自分も頑張っているからあなたも頑張りましょう!」で、日々精進しているのでしょう。糖尿病治療の大家の河盛先生や田中先生と同じですね。もっとも、結果説明をしながら状況を聞いてみたら、当の本人は2年前に急に負荷1時間値が高くなってきたことに普通に大きなショックを受けたようでした。
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