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ブラックコーヒー

健診では、何かを食べてきているとその日に検査ができず後日にやり直すことになります。血糖値や中性脂肪の値に影響が出てくるからです。以前は「食後2時間以上開いていればOK」などというアバウトなことをやっていましたが、今は「10時間以上空腹状態にしなければ正確とはいえない」と云われる時代です。まあ、アバウトな検査でも異常がないなら何も云うことはないのでしょうし、いつも食べてばかりいる人が検査前だけ10時間絶食をしても意味があるのだろうか?などと思ったりしないでもありませんが。

先日、「ブラックコーヒーを1杯だけ飲んできた方がいるのですが、検査を続けてもいいでしょうか?」という問い合わせがナースからありました。自分で豆を挽いて入れたと云います。「まあ大きな問題はないんじゃないの?もし異常が出たら考慮しましょう。」と、ちょっといい加減な答え方をしましたが、何となく心配になって昼休みに調べてみました。

ブラックコーヒーのカップ1杯に含まれるエネルギーは4~6Kcalだそうです。豆に含まれる炭水化物0.7~1.1g、たんぱく質0.2~0.3gが微妙に効いているみたいです。だから「カロリーはほとんどないと考えていいでしょう」という表現になりますし、缶コーヒーもブラックは概ね0カロリーと表示されます(5Kcal/100ml以下の場合は『0カロリー』と表示してもいいそうです)。実社会ではそれで何の問題もないですし、「コーヒーはブラックで飲めばカロリーはほとんどありません。脂肪燃焼を助ける効果もあるのでダイエットには向いている飲み物ともいえます。」などという謳い文句も良くわかります。

話を初めに戻してみましょう。結局、この受診者はブラックコーヒーを飲んだことがデータに影響を与えたのでしょうか?今後、こういう場合は検査をしても良いのでしょうか?例年に比べるとほんのちょっと血糖が高値でしたが、これはコーヒーのせいなのかどうかよく分かりませんでした。「次回は気をつけてくださいね。」ということで話を括りました。

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