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胃カメラ

歌手の桑田佳祐さんのがん宣言で、一躍有名になった「食道がん」。奇しくも指揮者の小澤征爾さんが食道がんの手術から生還し、一層、人間ドック受診者さんの関心が食道に向けられています。「ここは食道を診てくれるのですか?」という質問を何度か受けました。小澤征爾さんが「人間ドックは大事。くどいようだけど人間ドックに行かなきゃだめです。」というように、食道がんを早期の段階で見つけるのが健診でしょう。

ところが、先日国営テレビのある人気健康番組で「検診の胃カメラでは早期の食道なんかみつからない」という趣旨の放映があったのだとか?わたしは実際を見ていないので何ともいえませんが、それを見ていた知人の看護師さんが「だから健診で胃カメラを受けても無駄らしい!」と話しているのを聞いて、耳を疑いました。昨日も「胃カメラではなくて食道カメラを受けたい」という受診者からの問い合わせがありました。食道がんを早期の段階で発見できる唯一の方法が健診の胃カメラなんじゃないのか?

たしかに、本当の意味で食道にがんがないかを調べるためにはルゴール液(ヨード剤)を塗る必要があり、誰でも全員に塗るわけではありません。それでも、胃カメラ検査は消化器専門医が行うわけです。彼らには彼らのプライドがあるでしょう。時間がないから健診では食道はいい加減に観てもしょうがない、などと思っている医者がいるとは思えません。少しでもおかしいと思えば必ずルゴール液の塗布はするでしょう。危険因子が多い場合もあえてするかもしれません。それではいけないのでしょうか?ちなみにうちの施設では、ルゴール液によって胸焼け症状が残ることが多いのでルーチンで行わないことにしました、と担当医師が云っていました。

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心と体」カテゴリの記事

コメント

こんにちは、初めて書き込みさせていただきます。
そのN○KのTV放送は私も見ていました。
 胃内視鏡の検査ではまず奥(幽門から十二指腸)まで
カメラの先端を突っ込み、抜きながら観察するとのこと。そして、噴門を抜いたところでサッサと抜き取るためにまず食道の変色等は見逃されるため「食道がんの
早期発見に胃内視鏡検査は無意味である」
・・・という見解であったようです。

ゲストコメンターは「じゃぁ、今度からは医師にわざわざ食道もキチンと診てくださいって言わなきゃいけないね」・・で終わったようなきがします。

投稿: kawasaki | 2010年8月 3日 (火) 20時30分

kawasakiさん

コメントをありがとうございました。
健診を業務にしている人間としてはとても残念なお話でした。
病院を受診した患者さんは症状を訴えるのでその部分を中心に見ますが、人間ドックでは症状がないので、だからこそ見落とさないように食道や十二指腸の末端までかなり神経を使って丹念に確認しています。
月曜に医局でも話題になったのですが、「健診は忙しいから時間をかけない」というのは、私たちの感覚では20年近く前の発想のような気がしています。「東京ではいまだにそんな流れ作業的なレベルなんだろうか?」という意見もありました。

投稿: ジャイ | 2010年8月 3日 (火) 20時51分

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