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表情

健診の診察や結果説明で、毎日多くの方を診察室にお呼びします。名前を呼ばれて立ち上がるときから、各々の表情は千差万別です。大きな返事をして緊張気味の方、何も云わずに立ち上がる方、走るようにやってくる方、ゆっくりな足取りの方、眉間に皺を寄せて無表情な顔の方、対照的にニコニコして会釈される方・・・。名前をお呼びして明るく穏やかな表情で部屋に入ってこられる方をみるとホッとします。これからの作業(診察や説明)がスムーズに進みそうだからです。ブスッとした顔の方にはどうしても構えてしまいます。

苦虫を噛み潰したような顔つきの方は、それだけで損をしています。不満がある方や会社の重役でつい上から目線になってしまう人だけではなく、結果が不安な方やプライベートで心配事がある方、体調がすぐれない方、あるいは元々そんな顔だという人も居ます。でも、やっぱり表情は絶対明るい方が良い。明るい表情の方を見ていると、きっと健診結果も良いだろうなと感じます。それだけではありません。昨日、わたしは機械的に診察をしながら頭の中では全く違うことを考えていました。「あのバカ部長!勝手にごり押ししやがって!何様のつもりだ!許せん!後で抗議しに行ってやる!」 ・・・考えれば考えるほどムカムカしていました。そんなとき、とても穏やかで明るい表情の初老の男性が診察室に入ってきました。簡単な会話をしながら診察を続けているうちに、わたしは自分が不思議な気持ちになっていくのがわかりました。さっき自分が考えていたこと(=「バカ部長!」)なんて、何かどうでも良いことのように思えてきたのです。彼の和やかな表情が、わたしの荒んだココロを癒し始めたのだと思いました。

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