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暗がりの怪奇

いつの間にか日が短くなりました。先日、足早に夕方のワンの散歩をしていたら、途中で日は見る見る暮れていきました。

「こんばんは」・・・いつも出会う人たちといつも通りにあいさつをしました。さらに黙々と歩いていると、薄暗がりの中でさまざまな人たちの姿が目に入りました。引き連れたワンが何をしているかなど興味がない様子で、ずっと大声で携帯電話で話し続ける異国の女性。あるいは歩きながら商談でもしているのか、突然大声で怒鳴りはじめる男性。暗闇に声だけが大きく響く公園では、姿が見えないだけにちょっと薄気味が悪く、自ずとさらに足早になります。方や、前方からは両耳から白いコードをたらした若い女性がランニングウエアで走り去り、それとすれ違うかのように後ろからわたしを抜き去った自転車の男性も同じようにイヤホーンをたらしながら無表情。

なんか、この異様な空間が怖くなりました。携帯電話で話しながら散歩している人たちも、イヤホーンで音楽を聴いている人たちも、皆目の前の空気を意図的に遮断して、自分の世界の中に浸っています。部屋の中で電話をしているのとは違います。車の中で音楽を聴いているのとも違います。多くの人間が暗闇の公園の中ですれ違っているにもかかわらず、その多くが全く関わりあっていない現実。これが現代社会なのだなあ。

「バイバ~イ!」・・・ついさっきまで草むらを走り回っていた陸上部の中学生たちが自転車に乗って四方八方に散っていきます。揺れるライトに照らされながら、きゃっきゃっと騒がしく笑う黄色い声が、この上なくわたしのこころを安堵させてくれました。

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