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適性

わたしが産業医として勤務する企業に、ある若者が居ます。昨年、入職してすぐに休職し、やっと復職したと思ったら最近また実家に帰っていると聞きました。彼は、大きな夢を抱いてこの企業に入りました。保険を扱っているこの企業で、いわゆる弱者になっている被害者にココロから力になってあげたいということでした。彼は真面目に仕事に取り組みましたが、すぐに壁に当たります。交通事故で、加害者も被害者も自分の権利を主張するのです。その各々の話を聞いているとどちらにも力になってあげたいと思い、その各々に良いことばかり約束してしまった結果として、当然のようにトラブることになります。悪気はないのだけれどその場しのぎのウソを付くようになり、さらに自分を追い詰めてしまうことになりました。

上司は、彼に退社を勧めるつもりだそうです。彼のやさしさは、この仕事には向かないけれど、きっと他に生かせるものがあると思います。そうであれば、この仕事にしがみつかずに早くに次のステップに取り掛かった方が良いと、きっと多くの人がそう思うことでしょう。あとは本人がこの選択を「挫折」だとか「敗北」だとか「逃避」だとか、思い込まなければ良いのですが。

一方、以前lここに紹介したわたしの甥っ子ですが、新人研修の段階で退社を選んだ彼は実はまだ今でも定職についていません。今は職業訓練校に通っているといううわさを叔母から聞きました。一回失敗しただけにどうしても慎重になるのかもしれませんが、どんな仕事でもいいからとりあえず続けてみたら?とつい要らない助言をしたくなったりします。

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