優先席
学会のために上京しました。1年に一度、この学会のときにあわせて、東京で働いていた職場の同窓会をするようになって、今年で13年目なのだそうです。
二次会から解放されて、JR大宮駅から都内に帰る電車には、当時の部長を含めて4人が乗り込みました。
「ほら、その優先席に座ろう!」
電車に乗るなり、元部長が優先席のシートに座り込みました。
「もうボクはすっかり割り切ったからね。最初からこの席に行くようにしてるんだ。」
「先生はいいですけど、わたしたちはまだ抵抗ありますよ。」
一緒に座りながら、わたしたちはそろって口を尖らせました。
「大丈夫。こんな時間に、優先席に座るべき人は乗ってこないから・・・。」
たしかに、その後電車を降りるまで、乗り込んできたのは宴会帰りのカップルや仕事に疲れた顔のサラリーマンや、若い人ばかりでした。
「最近、自分の前に人が立っても、席を替わってあげるのにちょっと躊躇するようになったんですよね。」・・・わたしの隣に座ったOさんはわたしより1歳年上です。
「だって、下手すると相手の方が自分より若いかもしれないんだもの。何か、声を掛けるのが失礼じゃないかとか思ってしまうんですよね。」
Oさんの云うこと、とても良くわかります。いつまでも若いつもりでいても、世間様から見ればもう立派な初老オヤジ。席を替わってあげるどころか、席を譲ってくれそうになっても不思議ではない世代になってしまいました。
「失礼しちゃうよね!今日、電車で席を譲られそうになったよ!オレを何歳だと思ってるんだよ!」・・・たぶん、自分がそんなことされたら、家に帰ってグチるんだろうな。
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