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アナログさ加減

健診の心電図所見に『反時計方向回転』とか『洞性不整脈』とか書かれていると、「去年まで『異常なし』だったのに心臓が悪くなったのだろうか?」と悩む人がいます。眼底検査でも「去年は『細動脈反射亢進』で軽度動脈硬化だったのに今年は『異常なし』になっているのは、運動に心がけたから良くなったということ?」などと思う人もいます。

以前にも書いたように、どうもわたしたち判読医の心構えがいい加減なのかもしれませんが、これは大した意味を持ちません。おそらく今年と去年の検査結果はまったく同じだと思います。決まった定義に従って判読しているとはいえあくまでも判読医の主観の世界なので、病的意義がない所見は読んだり読まなかったりがあるのはやむを得ません。判読医が替わってもそうですが、同じ人が違う日に読んでも違う読み方をする可能性はあります。病的な意味があったりこれから経過を見ておくべき所見を見落としたら大問題ですが、「主観の差」「価値観の差」レベルで揺れ動くものはあまり目くじら立てないでいただきたいところです。

ところが、こういうことがあると「ここは信用できない」と不信感を持たれる方がおります。「同じ検査結果に対して違う所見が出たらどっちかがウソなのでしょ?」・・・医療従事者の中でも数字を扱うことの多い臨床検査技師さんや病院事務の方にそういう方が多いような印象をわたしは受けますが、では理系の職場で働く人に多いのかというと、むしろ文系の方の方が多いように思います。それでなくても『洞性徐脈』など、心拍数が1つ違っただけで病名が付いたり付かなかったりするのです。上記所見のどちらもウソではありません。『異常なし』とは所見があるかないかに関わらず、『日常に問題がない』という意味なのですから。もうちょっと人生をアナログ的に生きても良いのではないでしょうか。

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