すすめる
パソコンで文章を書く機会が多くなって、自分で文字を書かなくなった分だけ急速に漢字を忘れてきているのは事実です。でもその一方で、ワープロ辞書は漢字の選択肢を示してくれます。これは意外に勉強になります。
最近わたしが使い方に悩んでいる単語に「すすめる」があります。<前にすすめる>という意味の「進める」はわたしにも分かりますが、「この商品はおすすめです」とか「○○することをおすすめします」とか云う場合の「すすめる」にどの字を充てるのか。「勧」「薦」「奨」・・・正直なところ、どれもほとんど同じだと思っていました。
これをワープロ辞書の選択肢で見てみると、
勧める→相手に誘い促す。勧誘、勧奨、勧告。
薦める→人や物の良い点を挙げて採用を促す。推薦、自薦、他薦。
奨める→=勧める
とあります。「なるほど~」と一旦は唸ってみるものの、何かあやふやで結局自分が使うときに今ひとつ自信が持てません。こういうときにはネット検索・・・なんと「薦める、勧める、奨めるの違いは?」というテーマでYahoo知恵袋に毎年出ていました。
(前略)~「入会(転地・旅行・出席)を勧める。 食事(たばこ・座ぶとん)を勧める。のように、『他人に働きかけて、何かをするように説く』『他人の意志を動かすように説く』意では、『勧める』が使われる。さらに、クラス委員(候補者)として薦める。 恩師の薦めによって就職できた。 良書を薦める。のように、『ある人や物事が採用されることを望ましいとして、他人に説く』意では、『薦める』が使われる。」(文化庁「『ことば』シリーズ」から)・・・つまり、「勧誘する」という場合には「勧める」を、「推薦する」という場合には「薦める」を使うということですね。~
・・・ん~。「推薦したいから勧誘する」場合はどっちなのかなあ?
ちなみに同書によると、「『おすすめの+名詞』という場合は、一般に『お勧め』を使う(例「お勧めの映画」「お勧めのレストラン」)」そうです。これはクリアカットでうれしいけれど、上記の理屈が完全無視なのはなぜかしら?
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