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突発性と特発性

医学用語について、あれ?と思うことがあります。

「35歳のときに『突発性心筋症』と云われた」と問診票に書かれていました。本人と面談して、「本当に『突発性』ですか?」と聞くと「はいそうです。」と答えるので、ナースの入力ミスではないようです。でも「そういう診断名は聞いたことがないぞ!それを云うなら『特発性心筋症』だろ!誰がそんないい加減な用語を教えたのだろう?あるいは本人が聞き間違えただけだろうか?」などと考えました。ところが先日インターネットで検索をしたところ、「特発性心筋症」も「突発性心筋症」もほぼ同じくらいのヒット数なのです。これにはとても驚きました。

「特発性」とは医学の世界以外ではほとんど使われない言葉ですが、「原因不明の」という意味です。一方「突発性」とは文字通り、「突然起きる」という意味です。拡張型心筋症や肥大型心筋症は、「原因不明」の心筋症であって「突然起きる」ものではないはず、どうしてこんな使い方が混在するのでしょう。思うに、元々の病名表記「Idiopathic Cardiomyopathy」の「idiopathic」の日本語訳として、研究社の新英和中辞典では、<【医学】 突発性疾患,原因不明の疾患>とあることから、日本語訳の段階で二つの言葉が生まれたのではないでしょうか?これからは無碍に否定的な云い方はしないようにしますが、それでもやっぱりわたしには「突発性心筋症」の表現は違和感だらけです。

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