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無煙たばこの行く末

Medical tribune(2011.1.13)で、『無煙たばこは禁煙に役立たない』という題名の記事が目に止まりました。

AHA(米国心臓教会)が「無煙たばこには中毒となるリスクや喫煙を再開するリスクを伴うため、たばこの代替あるいは禁煙手段として使用すべきではない」という声明を発表した(Circulation,2010;122:1520-1544)というものです。~「たばこに安全な製品はない」。筆頭著者のイリノイ大学生物行動保健科学科Mariann R.Piano教授が、近年の無煙たばこが通常のたばこに比べて安全な代替品になりうるか否かの議論に明確な姿勢を示した。~と書かれていました。

これを読みながら思い出したのは、昨年5月に日本で発売された無煙たばこ「ゼロスタイル」です。<火を使わず煙が出ないまったく新しいスタイルの無煙たばこ>として東京限定発売されたところまでは知っていましたが、その後どうなったのかを実はよく知りません。当時、煙が出ないから飛行機で吸っても良いのか?とか喫煙室でなくても吸って良いのか?とかいう論議になって、わたしも受診者経由で保健師から質問されたことがあります。日本禁煙学会も強く反発し(嗅ぎたばこの口腔癌発症率の異常な高さと、吸ったひとの吐く息に含まれるニコチンの間接喫煙の問題など、まったく普通のたばこと同等の有害さ)声明文を発表したようですが・・・今回検索してみたら、なんと東京で品薄状態になるほどの人気で、今月から全国発売されるようになる(なった?)とか。

相変わらず強気な展開をするJTはやはりお国のお墨付きが後ろ盾なのでしょう。悲しいことですが・・・。さらに悲しく思うのは、税収以外にまったく存在価値のない麻薬「たばこ」を売ることへの<批判>が相変わらずこの手の公の記事にまったく見られないことです。検閲でもあるのではないかと疑いたくなるほど不可解な事実です。

※ちなみに、禁煙を続けるわたしの友人が手放せないでいる「ネオシーダー」は<のど飴>ですが、それでも一本あたりの吸入量はニコチンがライトタバコの5分の1・タールはセブンスターより多く、依存性があることも判明しています。

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