受動喫煙
しつこいようですが、九州予防医学研究会の話題から最後にもうひとつだけ(わたしの覚えのために)。
奈良女子大学保健管理センターの高橋裕子先生は艶やかなお着物姿で相変わらず元気いっぱいの講演でした。もちろん高橋先生といえば禁煙マラソンで代表される禁煙指導のパイオニアです。<予防医療に役立つ禁煙の最新知識>と題されたお話は、ぐいぐい強引に聴衆を引っ張り込んでいくパワーがありました。
●箱に表示されたニコチンの数値が低いタバコは値が高いタバコより明らかに有害。
●非喫煙者(受動喫煙者)の方が喫煙者よりも心臓病になる人が多い。
●喫煙者から7m離れているくらいではいつもタバコの煙に暴露する。17m離れていても時々暴露する(室外の話~室内は論外)。それが受動喫煙の常識。
●急激なニコチン濃度の上昇を定期的に経験するとニコチン中毒になる。ニコチンは肺に吸い込まれたあとにゆっくり体内に入ると思ったら大間違い。口の粘膜から数秒で入っていく。その点、ニコチンパッチは皮膚からゆっくり吸収されるから有効である。
●ニコチン切れは食欲を増させる。だから禁煙すると体重が2~5kg増える。その点、薬剤を使った禁煙治療の方が太らなくてすむ可能性が高い。
●女性は吸っている本数が少なくてもやめられない。だからタバコ代値上げの影響も受けにくい。残念ながら本数が少ないと禁煙外来の保険診療の適応にならないけれど、市販のニコチンパッチが有効である。
どうでしょう。喫煙者も非喫煙者も、ヤバイ!と感じていただけたでしょうか?
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コメント
いまだにアメスピを愛用してます(笑)。勿論喫煙マナーは守ってます。
「災難にあう時節には災難にあうがよく候。死ぬ時節には死ぬがよく候。これはこれ、災難を逃るる妙法にて候」
良寛のこの言葉を知ってから、あまりタバコ・酒その他「健康にいいとされていること」にこだわらなくなりました。
一応医療従事者の端くれなので、他人に健康のおせっかいを焼いてましたが、それも辞めました。
健康に散々気をつかっても大病したり、死ぬ人間もいる(病気に限らず、予期せぬ事故などで)。暴飲暴食、喫煙をすすめる訳ではありませんが、全ては「中庸」。命は「天の命じるまま」です。医療従事者がどうにか出来るものではありません。
楽しく生きるために「健康が必要」なだけであって、「健康のため」に生きている訳ではありませんので。
ちなみに良寛はヘビースモーカーで酒も飲んだ破戒僧ですが、当時としては長寿の、七十歳過ぎまで生きました。
投稿: コン | 2011年2月21日 (月) 22時38分
コンさん
おはようございます。
健康志向も長生き志向もないわたしがタバコと離れたのは、別に健康のためではありません。自分のカラダと対話してみたらどうもカラダが「要らない」と云っていたから、と書いたら妙に格好つけすぎですでしょうか。
カラダに良いとか悪いとかいう理屈で止めるのも良いですけれど、そんなことにはこだわっていません。本来、税収以外に全く存在価値のないものですから、「リセット禁煙」の考え方が一番わたしにはしっくりきます。存在が自分から消えうせたらこんなスッキリすることはありません。ない方が遥かに幸せ!そんな感覚を共有したくて、理由が何であれ、「止めようかな」と思っている人の後押しをしてあげたいと思っております。
ちなみに、良寛さんが長生きだったのは、彼が中庸の人生だったからではあっても、ヘビースモーカーだったからではありますまい。タバコの存在を知らなかったらもっと楽しい100年を生きたかもしれませんです♪
投稿: ジャイ | 2011年2月22日 (火) 06時51分