意識の切れ目
カウンターのお嬢さんが、やさしく微笑みながらわたしに向かってとても丁寧に対応してくれました。とてもすっきりした気分になれました。よく教育されて洗練されていることが見て取れました。
「ありがとうございました」・・・お礼を云ってその場を立ち去ろうと数歩歩いたときに、「あ、そうだ」・・・一つ聞き忘れたことがあったのを思い出して振り返りました。「あの~」と云ったとき、すでに次の相談の方にやさしい微笑みを向けようとしていたそのお嬢さんが、ちらっとわたしを一瞥しました。その無機質な表情から、明らかに意識がこちらを向いていないのがわかります。一応簡単に対応していただきましたが、もはやその目はわたしを見てはいないことを感じました。
わたしが健診で診察をしている最中にも、ときどきそんな刹那があります。診察室の出口までエスコートして「お疲れさまでした」とあいさつをしながら受診ボードをアテンダントさんに渡したとき、その受診者さんから軽く声を掛けられることがあります。口では返事をしているものの自分の手には次の順番の受診者ボードが握られており、明らかな生返事です。今の自分を客観的に見たら、きっと冷たい顔をして焦点の合わない目をしているのだろうな、と思います。
「意識の切れ目」・・・そのときの対応がそれまでのすべての対応の印象を決めることを実感した以上、なかなかむずかしいのだ!などと容易に言い訳をせず、愛をもってお返事しなければなりますまい。
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