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異常所見がなかったら心配要らないのか?

人間ドックには、一般的なドック(日帰りドックや宿泊ドックなど)と別に、臓器に特化した、あるいは一つの病態に特化した『専門ドック』(脳ドックや動脈硬化ドック、アンチエイジングドックなど)があります。うちの施設では専門ドックの結果説明はそれぞれの専門医がする、というのが売りでした。ただ、ドック件数の増加にともなって、救急病院の専門医が必ずしも決まった時間に来れないケースが多くなり始め、現在はその多くを専門領域の知識のある健診の医師がしています。

その折、『専門ドック』も特定の医師が説明しなくても良いのではないか?という意見が出始めました。、健診結果のひとつなのだから他の説明と同じように健診医が誰でも説明できるようになるべきだ!というのです。

そんな意見を聞きながら、わたしは悩んでいます。少なくとも『心臓ドック』はそれでいいのだろうか?と。自覚症状はないというひとであっても、動脈硬化の危険因子の程度次第で精査の要否は大きく変わります。心臓ドックはそれなりに何か気になることがあるから受けるひとが少なくなく、そんなときに諸検査を受けて有意な異常所見がなかったら「異常なかったので心臓は心配要りません。大丈夫です。」と云えるのか?もちろん、その答えはノーです。そんなことだけで狭心症は否定できません。あるいはその胸の症状が狭心症でないとしたら、それでは何なのか?次に何を考えてどこを受けたらいいのか?そこまでを助言しないと専門ドックは意味を成しません。そんなことが専門知識のない医者に果たしてできるのだろうか?『心臓ドック』は異常所見がないひとの方が多いのです。人間ドックで「心臓は大丈夫!」と云われて帰ったその日に急性心筋梗塞で担ぎ込まれた患者さんを研修医のときに受け持った経験のあるわたしには、皆が考えているほど簡単なことではない気がして気がかりでなりません。

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