Y先生の手荒れ
最近、診察をしていると自分の指先がカサカサになっているのが気になります。触診しているときに痛い思いをさせているのではないかと懸念します。冬場に皮膚が乾燥するのは当たり前だとしても、こんなに目立つようになったのは、やはり歳なのかしら。
この季節は職場の職員健診が行われています。先日、わたしより3、4歳年上の某先生を診察しました。手首で脈を触っているとき、両手が皸(あかぎれ)のように赤く荒れているのに気付きました。「先生、えらく手が荒れていますね。」・・・思わずそう呟(つぶや)きましたが、先生自身はあまり気に留めていない様子で、「ああ、これね。たぶん頻回に消毒液で手を洗うからじゃないかな。」と答えながら診察室を出て行きました。
そういえば、若いナースや技師さんなどの中にも、妙に手だけが荒れていて「一体あなたは何歳?」と聞きたくなるようなシワシワの掌のひとが少なくありません。くだんの先生をはじめとする医療従事者は、とかく感染予防の観点から頻回に消毒液で手を洗うのは当然の行為であり、そのために手荒れするのは止むを得ないことと思い込んでいるふしがありますが、それは本末転倒ではないかとわたしは常々思っています。
云うならばそれは明らかな「労災」・・・「経皮毒」の象徴のような被害で、手荒れだけでなく、その消毒液は体内臓器にまで影響を与えるのだということを、医療従事者はもう少し意識した方が良いのではないでしょうか。菌を殺すほどの薬液が健常な皮膚を冒さないはずがありません。まあ、だからといってコンビニで無条件に入れてくれるウェットティッシュを意地で店員に返すわたしはやりすぎかもしれませんが・・・。自分のカラダを蝕んでまで他人のために行う行為=「何でも消毒液で手洗い」は自殺行為にしか思えません。
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コメント
確かに年齢とともに
スキンケアは欠かせなくなりました
術前の手洗いでブラシを使わなくなったのは
ずいぶん前ですが
それでもケアを怠ると
ひどい状況になります
ウレパールが
手放せない
投稿: hanamegane | 2011年2月 5日 (土) 15時47分
hanameganeさん
先生方のような外科医にとっては、特に手術に際しては必要不可欠な習慣ですが、内科医が高血圧や不整脈など感染症ではない患者さんを診療する時に、わざわざ毎回消毒液を使う必要はなく、流水(湯)での手洗いで十分だと思っています。自分のカラダは自分で守らなければ。
でも、やはり歳には勝てませんね。皮膚は素直に歳を表します。それにしても尿素が保湿クリームや化粧品として重宝しているのは化学オンチな私にはとても不思議です。ちょっと化学構造を変えるだけで毒物になるというのに。
投稿: ジャイ | 2011年2月 6日 (日) 06時50分