日本語
職場のロッカーに張り紙が貼られています。
『ロッカーの上に私物をおかないで下さい。
掃除に邪魔になります。』
クリーニングから返ってきた白衣などを載せたままにしているロッカーのすべてに、一つずつ同じ張り紙が貼られていました。服を着替えるとき、となりのロッカーのその文章をながめながら、毎回思ってしまうんです。
「これは『掃除に』じゃなくて、『掃除の』の方がいいんじゃないかな。」
「掃除をするのに邪魔になります。」が正式な日本語だと思うから、「に」でも「の」でも意味は通じるのだけれど、きっと「の」の方が素直に耳に入ってくるんじゃないかな、と。昔は、こういう助詞の選択にはみんながかなり気を遣っていました。特に今回のように活字で文章印刷する場合は、公の文書になるので話し言葉のようにはいきません。でも、最近は本人だけでなくそれを許可する上司も、「内容さえ伝われば文章の善し悪しはどうでも良い」と思っている人が多くなったようで(というより、その判断能力がないのかもしれませんが)、ちょっと寂しい気がします。
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