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治療について考えること(前)

心臓病で加療中の女性が今年も健診を受けに来られました。健診のときしかお会いしませんがもう10年以上のおつき合いになります。以前、患者の会の旅行に同行したことがありましたが、当時は周期的なカラダのむくみと息切れでいつもきつそうにしていました。根が明るい性格なのに、あまりにきつそうで返って声を掛け辛かった記憶があります。重症の心臓病のために徐々に増えていったくすりが日々の食事量より多いのではないかと心配になるほどでした。そんな彼女が数年前からとても元気で明るくなって来られます。「毎年、若返っていってませんか?」と尋ねると、「はい。そうです♪」と。今は足のむくみもなく息切れもほとんどなくなったそうです。「週に3回くらい、近くの健康教室に通うようになってから調子が良くなった気がします」・・・健康教室といってもとても簡単な体操をするくらいだと本人の弁。当時より内服薬の量はかなり減っていました。

以前、循環器内科の医師をしていたころ、重症心不全を何度も繰り返す女性がいました。重症の糖尿病もありました。心臓を栄養する血管(冠動脈)を広げる手術を何度も繰り返しましたが、狭心症発作は毎日のように襲ってきて風呂にもまともに入れないような状態でした。他の病気を患ったために担当から離れましたが、彼女も年に1回はわたしのところを訪ねてきてくれます。とてもお元気です。狭心症発作や心不全発作はほとんどなくなったそうで、当時より10歳以上は若返った気がします。彼女の調子が良くなったきっかけは、出血をしたために飲んでいたくすりの大半を中止せざるを得なくなったことでした。

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