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身体科医師

線維筋痛症診断ガイドライン2009の解説を遅ればせながら読んでいます。

「繊維筋痛症」はその存在は知っていますが、私自身がその診断を下した(あるいは下された)患者さんに会ったことがないのできわめてあやふやな知識に留まっている、というのが現状です。これは比較的頻度が高いリウマチ性疾患であるにもかかわらず、器質性ではなくて機能性疾患であるがために、自覚症状としての痛み症状が広くて強い割に理学所見や検査所見が軽いかほとんどないところに最大の厄介さがあります。だから、「身体科医師には扱いにくい疾患です」と書かれていました。

この「身体科」という使い方を最近よく目にするようになりました。どうも精神科や心療内科(一緒にするな!と云われそうですが)と対抗する表現なのかしら。臨床医療の主体をなす(と本人たちが信じている)具体的な体内臓器を扱う医療と精神的な現象を扱う医療とが区別されるのは何となく分かるけれど、内科や外科と並列で精神科、では何がいけないのかしら?

ところで、この繊維筋痛症の治療はあくまでも対症療法(抗うつ剤と抗けいれん剤)や有酸素運動、認知行動療法だそうなので、これまた「原因と結果が一対一でなければ科学ではない」と教わっている身体科医師にとっては屈辱的であり、馴染めない主因のような気がします。

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