アスリートの思い込み
健康スポーツ医学再研修会で、至学館大学の杉島先生の講義内容は「アスリートのための栄養学」でした。日頃わたしたちが考える栄養学とは次元の違う話で逆に楽しく拝聴できました。
何しろ、<如何にカロリーを減らしてやせさせるか>を考える臨床医学の食事療法は、<如何にバランス良く体重を増やしてハイパフォーマンスを維持させるか>を考える栄養管理学とは、バランスというキーワードでは似ていても、やはり明らかに対極にあります。その中で面白かったのは、
●一般人で問題になっているカルシウムと鉄の摂取量は、トップアスリートでもやはり少ない。意外に乳製品や果物を食べる習慣がないからではないか。
●とかく筋肉を付けるためにたんぱく質だけを増やしたがるが、三大栄養素の比率は一般成人と同じであるべきであり、たんぱく質だけでなく脂質と糖質も同様に増やさなければならない。
●アスリートが減量するときに注意することは、「糖質の必要量は必ず確保する」ことと「豆・果物類を取りすぎないこと」。
●たんぱく質を十分とっているのに体重が増えないのは、エネルギー源の糖質が足りないためであることが多い。
●アスリートには『サプリ依存症』が多い。日常の食事で十分なのにサプリがないと力が出ないと思い込んでいる選手は多い。サプリでパフォーマンスが飛躍的に向上することはあり得ない!と杉島先生は強調しました。サプリに頼る選手は心身共に弱いとも。
先日、プロ野球のダルビッシュ投手の栄養管理のはなしをテレビで見ましたが、やはりわたしたちには別次元のおはなしです。そして、アスリートが運動を止めた途端にメタボや生活習慣病に陥る理由がよくわかります。
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