医療雑学2:糖尿病と毛細血管
糖尿病についてはWeb版の産経ニュースから。これが配信されたのは2011.3.11 07:26です。この5時間後にあの大惨劇があったことになります。
『血管の異常が糖尿病の一因に』
マウスの実験結果から得られた肥満と糖尿病と毛細血管異常の関連を、東京大学の門脇孝先生らが発表したものです。血糖コントロールの主体をなしているインスリンは普通は毛細血管から染み出して筋肉に達し、筋肉の糖分取り込みの手助けをしているわけですが、肥満になるとインスリン分泌量が変わらないのに血管から出て筋肉に達するインスリン量が少なくなってしまい、その結果として筋肉が取り込む糖分の量が半減するというのです。
何のことだかお分かりでしょうか。血糖コントロールを実際に体内で行っているのは肝臓と筋肉です。急激に入ってきた糖分のうち当面必要ないものを肝臓や筋肉に蓄えておいて、必要なときのためにそこに蓄えておくことによって血液内の糖分(血糖値)を一定に保っているわけです。その筋肉取り込み機能が、太ることによって破綻をきたしてしまって取り込めなくなると、結局血液中に糖分があふれることになります。脂肪肝がひどくなると血糖値が下がらなくなるのと同じようなことが起きるのです。
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