« ひさやま(前) | トップページ | 久山町の胃がん »

ひさやま(後)

鎌田實先生の諏訪中央病院の再興の歴史も然りですが、その地に住む方々やその地を統括する行政に、「○○してあげることが私たちの使命だと思ってやってきました」みたいな態度で接していったとしたら、きっと簡単に跳ね除けられたことでしょう。久山町や諏訪のようなことをやってみたいと思う若い先生方も多いでしょう(一時期よりは多くなったと信じたい)が、よそ者の若造学者がやってきて偉そうなことをいくら吼えたところで、住民の方々はそう簡単には心を開いてはくれますまい。当初からその点を強調されてこられた、教室の歴代の教授たちの真摯な熱意にも敬服します。

清原先生が自ら口にされているように、この久山町研究が秀でている理由のもうひとつは、これが臨床の医者が行ってきた疫学研究であるという点です。EBM(根拠に基づいた医療)がもてはやされるようになればなるほど、疫学者が机上の空論を展開させてしまい勝ちになる懸念があります。人間を相手に人間の健康の実態を探る疫学調査には、やはり臨床の医者としての目は必要不可欠なことだと思います。若き清原青年を投影させるような優秀な研究者が歴史を引き継いでくれることを切に願います。

最後に、久山町研究が脳卒中vs高血圧の歴史からvs糖尿病の研究に替わろうとしている現在、対策に時間がかかるか?という問いに答えた清原先生のことばがとても好きでしたので記しておきます。
「・・・日本人は賢い国民なので、正しい情報を提供すれば、多くの人たちはきちんと自己管理をされると私は思っています。・・・」

|
|

« ひさやま(前) | トップページ | 久山町の胃がん »

心と体」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« ひさやま(前) | トップページ | 久山町の胃がん »