高尿酸血症
「ちょっと痛風の調子が危なっかしいので、今日はビールは控えておこうかな。」・・・ある年齢以上になってくると、オヤジ仲間の間ではこんな会話を当たり前のようにします。以前は、痛風は金持ちや美食家にしか罹らない『ぜいたく病』でしたが、皆さんが金持ちで美食家になった今では普通に庶民の病気になりました。血液中に存在する尿酸という物質の量が一定量を超えると血液から少しずつ血管の外に滲み出始めます。それが徐々に関節包内にトゲトゲの結晶として溜まってくると炎症を起こして、「風が吹いても痛い」=痛風となるわけですが、高尿酸血症はその他に腎結石や動脈硬化の原因にもなりますので、今は痛風になってから治療するのでは遅いという時代になりました。
「『酒を飲まずに精進料理だけ食べるのがあなたのカラダに一番合っています』とカラダの中からメッセージを発しているのですから、まあそれに耳を傾けてやってください。」と、やや冷ややかにアドバイスするのがわたしの常ですが、食事に関連するのは三割、残り七割は「体質」だという事実も歴然と存在していますから、現代社会の中でストイックに修行僧のような人生を続けようとするよりも「ほどほどのところで病院に行って早くくすりをもらった方が身のためだ」とも説明しております。
ただし、内臓脂肪が増えると尿酸がたくさん作られるのに加えて体内から出ていくのを抑えるようにもなりますから、メタボ対策はそのまま高尿酸血症対策になります。「体質だからしょうがねえよ」と云わんばかりに好きなものを食いまくるメタボ腹のオジサンには、残念ながら「禁欲」が避けて通れない治療であります。
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