糖尿病と炭水化物
<「日本人には日本人の体質にあった食生活を!」~ごはんを中心とした日本型食生活のすすめ>という見出しが妙に気になって、一枚のチラシをもらってきました。日本糖尿病対策推進会議が作成した資料を元にしているようです。簡単にまとめれば、太りやすい上にもともとインスリンの分泌能が低下している人が多い日本人の体質には、欧米型の食事ではなくて、”糖質が多く含まれた”ごはんを中心とした日本型食生活がよい。栄養バランスにも優れていて、糖尿病予防にも理想的な食事である、というものでした。
以前から云われてきているこの理論ですが、食後高血糖を回避する視点から炭水化物制限の方が脂肪制限より重要だという考え方も幅を利かせ始めている最近ですので、「結局ごはんは食わない方が良いのか食った方が良いのか?」という質問が沸き上がってきて当然でしょう。Amazonで検索しても、「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」(江部康二)「糖尿病はご飯よりステーキを食べなさい」(牧田善二)などに対して「米と糖尿病 日本人は炭水化物(糖質)を制限してはならない」(佐藤章夫)など、当事者はとても困ります。
現在の栄養士学会の意向はどうなの?とうちの管理栄養士さんに質問したら、糖質が全体の60%、最低でも100g/日以上は摂るべき、というのが基本だという風に教えてくれました。肉食文化のアメリカと違って農耕民族の日本人気質の、短期的なダイエット効果ではなくて長期的な血糖予防効果は、どっちが良いのか?健診受診者が質問したときにどう答えたらいいものか、どなたか早く正式な見解を出していただきたいものです。
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