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左室肥大

わたしは心電図判読をするときに、明確な「陰性T波」所見でもない限り、『左室肥大』の診断はつけないようにしています。左室肥大・・・心臓という筋肉の塊の中で一番厚い心筋の袋が左室です。この袋が異常に大きくなっているか、心筋が基準以上に厚くなっている状態が『左室肥大』です。『左室肥大』の心電図所見は「陰性T波」だけでなく、「高電位(R波増高)」とか「ST低下」とか他にもいろいろあるのですが、別に心筋に異常がなくても、たとえば「高電位(R波増高)」というのは心電図の丈が高い状態を指しますが、これは痩せ型の体格の人には簡単に認められる所見です。

あくまでも心電図診断なのだから、他の因子(年齢や性別や身長・体重など)を判断基準にすべきではない、心電図所見が『左室肥大』に合致するなら、『左室肥大』と書くべきだ、という先生はたくさん居ます。でも、本当はまったくの濡れ衣(単に体格の問題)かもしれないのに、「自分は健診で『左室肥大』と云われているから心臓が悪い!」と強く思い込んでいる人が少なくないのです。実際には、心臓超音波検査(心エコー検査)を受ければ、それが正解なのか濡れ衣なのかすぐに分かるわけですが、そういう検査を受けない人の方が大多数です。だから、定義に当てはまるからというだけで、あえてそのすべてに『左室肥大』のレッテルを貼る必要はない、というのがわたしの考えです。

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